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家を建てるタイミングは年齢で変わる?家計やライフプランも考えて判断しよう

住宅建築

處        浩之

筆者 處 浩之

不動産キャリア23年

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「家を建てるのに、今の自分の年齢は早すぎるのか、それとも遅いのか」と迷われている方は多いのではないでしょうか。人生でそう何度も訪れないマイホーム購入のタイミングは、誰もが悩む大きな決断です。この記事では、実際に多くの方がどの年代で家を建てているのか、その背景や住宅ローンとの関係、そしてご自身のライフステージに合った考え方まで、わかりやすく解説します。どうぞ、最後までお読みください。

現在、多くの人が何歳で家を建てているのか

国土交通省の令和5年度住宅市場動向調査によりますと、新築の注文住宅を取得した世帯主の平均年齢は約42.1歳であり、最も多い年代は30代が42.1%と中心を占めています(令和4年度は平均年齢41.1歳、30代の割合41.7%)。

また、別の調査では、家を建てるタイミングの平均年齢が44.8歳であるとの報告もあり、30代が36.7%、40代が21.6%、60歳以上も20.4%と、幅広い年代で住宅取得が見られることがわかります。

このように、30代から40代が住宅取得の中心層ですが、近年では60歳以上の割合も無視できない水準に達しています。そこで問われるのが「マイホームを建てるのに適した年齢はあるのか?」という点です。統計をもとに、その答えを探ってみましょう。

年代割合の目安平均年齢
30代約4割
40代2割前後約42歳
60歳以上約2割

年齢別で考える住宅ローンと返済完了までの時間


住宅ローンの返済完了時期を年齢別に見てみましょう。まず、金融機関や各種シミュレーションによると、30年から35年のローン期間を設定した場合、30代で住宅ローンを組むと、定年退職(65歳)前後に完済できる可能性があります。たとえば30歳で35年ローンを組めば、65歳で完済となり、老後の支払い負担は軽減されやすいです。ただし、40代後半からローンを組むと、完済時期が70代~80歳になるケースもあるため、定年後に返済が続くリスクがあります 。

具体的なシミュレーション例を以下の表にまとめました。返済期間35年で比較した場合の完済時年齢の違いをご覧ください。

借入時年齢返済期間完済時年齢(目安)
30歳35年65歳
35歳35年70歳
40歳35年75歳

このように、年齢が上がるほど完済時期が後ろ倒しになり、老後の収入減や年金生活と重なることから返済計画の見直しが必要になります 。

また、40代以降でローンを組む際は、繰り上げ返済や親子リレーローンの活用など検討したいところです。繰り上げ返済により、返済総額を抑えつつ、できるだけ早期に完済できる可能性があります 。さらに、親子リレーローンを使えば、親が一部返済した後、子どもが返済を引き継ぐなど、柔軟なプランも可能です 。

定年後にも安定した収入源がある場合は、返済期間をやや長めに設定する柔軟性もあります。しかしながら、収入減を見込んで慎重に計画を立てることが重要です。ご自身のライフプランや資金計画に応じた検討が必要である点は変わりません。

ライフイベントと家を建てるタイミングの関係


マイホームの購入を考えるとき、結婚や出産、子どもの入園・入学といったライフイベントがきっかけになることが多いです。実際に、ある調査では「家を購入したタイミング」として最も多く挙げられたのが「妊娠・出産」、次いで「子どもの入園・入学」、「結婚・婚約」といった順番でした。

また、国土交通省の住宅市場動向調査によれば、住宅を購入する世帯主の年齢層は「30代」がもっとも多く、住宅ローンの借入期間(一般的に35年)を考慮すると、30代に購入して定年や老後に差し迫られず返済を終えられることが影響しているとされています。

このようにライフステージと年齢は密接にリンクしており、多くの人が結婚や出産、子どもの入園・入学といったイベントを経て、30代前半から後半にかけてマイホームの購入を検討する傾向があります。以下にその関係を簡単に表形式で整理しました。

ライフイベント おもな時期(年齢層) 購入を考える理由
結婚 20代後半~30代 新たな生活を夫婦で支える住まいの確保
妊娠・出産 30代前半~中盤 子育て環境の整備や安心な住まいへの移行
子どもの入園・入学 30代中盤~後半 通学の負担軽減や学校環境を重視した立地選び

このように、ライフイベントと年齢が重なるタイミングこそ、多くの方がマイホーム購入を検討しやすい時期です。ただし「適切な年齢」は個人によって異なりますので、ご自身の家庭状況やライフプランにあわせて判断することが大切です。

年齢ごとの一般的な考え方と注意点


以下は、世代別にマイホーム取得を考える際のローン期間や収入の安定性などについて整理したものです。

世代主な特徴・メリット主な注意点
20代借入期間を長くできるため、月々の負担が抑えられます。勤続年数や年収が十分でない場合、希望額が借りられないことがあります。◆
30代定年までに完済可能な長期ローンが組みやすく、ローン+資産形成が可能です。◆育児や教育費とのバランスを考える必要があります。◆
40代自己資金が増え、審査に通りやすくなる傾向があります。借入期間が短くなりがちで、老後資金とのバランスを慎重に検討する必要があります。◆
50代以降親子リレーローンなどの活用でローンが組みやすくなる場合があります。完済時年齢や健康状態の制限が厳しくなり、返済負担も大きくなるおそれがあります。◆

(◆:年代別の注意点として、複数の信頼できる情報源から整理しています)

まず20代でローンを組む場合、借入期間を長期間に設定できるため返済額を抑えられるメリットがありますが、年収や勤続年数が少ないため希望額が借りられないケースも存在します。三菱UFJ銀行の調査で、20代は勤続年数や年収の面で希望通りの借り入れが難しいことが指摘されています。◆cite◆

30代では、35年ローンなど長期返済が可能で、定年までに返せる可能性が高くなります。また、収入が安定し始める時期でもあり、資産形成との両立が期待できます。ただし子育てや教育にかかる費用とのバランスを意識する必要があります。三菱UFJ銀行も教育費との両立が鍵であるとしています。◆cite◆

40代になると自己資金が増え、審査に通りやすくなるというメリットがあります。ですがその一方で、返済期間が短くなる傾向にあり、高齢になってもローンが残るリスクがあります。みずほ銀行なども完済時期の年齢を意識するように警鐘を鳴らしています。◆cite◆

50代以降は親子リレーローンなどの活用が可能なケースもありますが、完済年齢の制限や健康状態による審査落ちのリスクが高まります。ローンが短期間になり、月々の返済負担も重くなるため、注意が必要です。イオン銀行なども同様の注意点を指摘しています。◆cite◆

最終的には「適切な年齢」は人それぞれで、ライフプランや家計、健康状態などを踏まえて判断することが重要です。自身の状況に応じた返済計画を立てることが、安心できるマイホーム取得につながります。

まとめ

家を建てる最適な年齢は、多くの人が30代であるものの、実際にはご自身のライフプランや家族構成、収入状況によって異なります。住宅ローンの返済計画や将来の収入見込み、またライフイベントなども総合的に考慮することが大切です。大切なのは平均や統計にとらわれすぎず、ご自身やご家族にとって納得のいくタイミングを見極めることです。年齢だけでなく、理想の暮らしに向けてじっくり計画を立ててみてはいかがでしょうか。

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