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相続トラブル問題点と解決方法③

處        浩之

筆者 處 浩之

不動産キャリア23年

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問題点③ 親の面倒を見ている子と見てない子がいる




こういう場合どういった問題が起こりうるのか、また、それを解決するにはどうすればいいのかをここでお話しします。




何が問題なのか



 【介護に寄与分はない】
 
親の介護への貢献度をめぐり、争族に発展する可能性があります。親の面倒を戸が見るのは扶養義務として当然のことであり、そこに寄与分は原則発生しません。親の面倒をまったく見ない子がいたとしても、だからと言って面倒を見た子に寄与分は発生しない。子として当然の行為だからです。
 もちろん、その貢献が扶養義務を超えた相当な負担であれば寄与分が発生すると考えられるが、仮に寄与分がが発生したとしても、その割合は当人が期待する水準以下であることがほとんどであり、満足を得るレベルには至らないと思われます。
 また、面倒を見ていない子から、介護負担の旗のもと、親の財産を私的に流用していると誤解を受ける場合もあります。





相続発生前の解決方法




 【介護活動を記録する】

 親の面倒を見ることについて、子供同士で話し合うべきです。
 労務だけでなく、経済的な負担、精神的な負担等についても情報を開示し、何がどの程度負担なのか、将来担った負担をだれがどのように負担するのかなど、ある程度合意しておくことが望ましいです。
 日記や介護ノート等に日々の活動を記録しておくと、後日客観的な資料として有効です。面倒を見ていない子に説明する際にも、理解を得やすい。
 また、親と子の財産を分別管理することはもちろん、親のために使用したお金の領収書やレシートは残し、通帳にも何に使用したかメモしておきましょう。
 親に遺言書を作成してもらう、あるいは生命保険の受取人を面倒を見た子だけにするのも有益なほうほうです。



相続発生後の解決方法

 

 【客観的な資料を示す】

 介護負担の程度を客観的に示せる資料を先方に提示し理解を得るしかありません。親の面倒を見たからといって、法的に寄与分が発生しないことを理解したうえで冷静に話し合うべきです。




POINT



 事前に対策を講じていない場合、法的に処理すべき問題なのか、法的に処理して納得が得られるのか、冷静になって検討するべきでしょう








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